クリニック勤務の看護師は休みを取りやすい?

クリニック勤務の看護師の仕事は、クリニックの診察時間に合わせて夜勤がなく、お盆や年末年始に必ず休みを取ることができるのが魅力です。
病棟勤務の場合は入院患者のサポートのため夜勤が必須となる場合がほとんどですが、クリニックでは病床数が少なく、夜間の対応を行っていない場合も多いです。そのため、毎日決まった時間に出勤し、決まった時間に退勤したいと考える看護師には向いています。
子育てや介護など、家族との時間を大切にしたい看護師には最適な職場といえるでしょう。

しかし、クリニックは働いているスタッフの人数が少ないため、通常の勤務日に休みを取りたいと思った時には、代わりにシフトに入ってくれるスタッフを探さなければいけません。
最少人数で日々の仕事をこなしているため、欠員がいる状態でいつも通り1日の仕事をやり遂げることは難しいでしょう。固定の休みを貰えるというのは大きなメリットとなりますが、固定の休日以外の休みを取るのが難しいというのはクリニック勤務のデメリットといえるかもしれません。

クリニック勤務の看護師の休日は、クリニックの休診日によって大きく変化します。
働くクリニックがお盆にも診察を行うのであれば、看護師も診察時間に合わせて勤務しなければいけません。病棟勤務からクリニック勤務に転職したいと考えた時には、働きたいと思っているクリニックの休診日をよく確認するようにしましょう。休診日は、看護師の固定の休日と考えることもできます。

看護師として知っておくべき病院とクリニックの違い

病院とクリニックには、3つの大きな違いがあります。

1つめは「病床数」です。病院は20床以上、クリニックは0床から19床の医療施設を指します。
2つめは「スタッフの人数」で、クリニックについては明確な定義はありませんが、一般病院の場合は入院患者と医師の割合が16対1、入院患者と看護師の割合が3対1と定められています。
その他にも薬剤師や栄養士などの人数も細かく定められています。

3つめの違いは「役割」で、病院は最先端医療や高度医療など、難しい医療を行うための医療機関です。さまざまな診療科を持ち、専門性の高い治療を行うことができます。クリニックはかかりつけ医としての役割が大きく、地域住民が安心して暮らせるよう地域医療に携わるのが大きな役割です。
看護師が病院やクリニックで働く際には、上記の3つの違いに加えて、働き方にも違いがあることを知っておくと良いでしょう。

病院では医師の診療や入院患者の身の回りのサポートなどの看護業務が主な業務になります。
夜勤や残業、休日出勤もあり、診療科によっては難しい専門的な知識が必要です。そのため、キャリアアップを目指している看護師には、高度な医療技術や知識を現場で学びながら、資格を取って給与アップを実現することもできます。

一方のクリニックでは、閉院時間や休日がしっかりと決められており、残業や休日出勤、夜勤は基本的にありません。ただし人数が少ないため、看護業務以外に掃除や器具の準備や管理などの雑務を行う必要があります。また、患者との距離が近く、コミュニケーションを取ることも重要な業務の1つです。

クリニックで働く看護師がやりがいを感じるポイント

クリニックで働く看護師がやりがいを感じられる点としては、次の3つが挙げられます。

まず1つめは、「その地域に住む患者の健康のために働ける」という点です。
クリニックは病院と比べて、かかりつけ医として利用する患者も多く、その地域のための医療機関という役割が大きいです。規模も小さいことから患者とコミュニケーションを取る機会も多く、自然と距離も近くなることから、身近な存在として患者一人ひとりの気持ちに寄り添い、相談に乗ったりサポートすることができるのです。

2つめは、「主体性を持って業務に取り組める」という点です。
病院と比べてスタッフが少ないクリニックでは、スタッフが担当する業務は多くなってしまいます。そのため、誰かの指示を待ってから動いていては、業務をこなすことが難しいのです。自分でどのように動けば良いのかを考え、責任を持って担当する業務をやりとげることに大きなやり甲斐を感じられるでしょう。

3つめとして挙げられるのは、「頼れるクリニック作りに携われる」という点です。
クリニックは地域内にいくつもあるため、患者がどこを選ぶかの基準の1つとして左右されるのが評判です。
クリニックの評判を上げるためには、診察の正確さや的確さなど医師の腕によるところが大きいですが、受付や電話での対応など看護師が関わる業務もとても重要なポイントとなります。患者の不安な気持ちを理解し、親身になって話を聞くなど良い関係を築いていくことで、頼れるクリニックとしての評判を上げることに繋がるでしょう。